裂帛
れっぱく
名詞
標準
文例 · 用例
きあっと、裂帛の悲鳴が聞えた。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
この裂帛の気魄は如何。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
腕一杯、踏んで来られたらどうじゃ」 広言にくしとはやったか、右の一槍が、夜目にもしるくスルリと光って、「えいッ」 裂帛の気合もろともに突っかかったがヒラリ、半身に開いた主水之介の横へ流れて、その穂先は、ぐっと主水之介の小脇にかかえこまれてしまいました。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
抜けッ、抜けッ、抜いて参れッ」 裂帛の美声を放って、さッと玉散る刄を抜いて放つと、双頬にほのぼのとした紅色を見せながら、颯爽として四人の者の方ににじりよりました。
— 旗本退屈男 『旗本退屈男 第一話』 青空文庫
渾身の勇を奮って、その手をすりぬけながら、やにわとまた逃げのびようとしたので、大きくひと足退屈男の身体があとを追ったかと見えた刹那――「馬鹿者ッ、行くつもりかッ」 裂帛の叱声が夜の道に散ったと同時で、ぎらりと銀蛇が閃いたかと思われましたが、まことに胸のすく殺陣でした。
— 続旗本退屈男 『旗本退屈男 第二話』 青空文庫
と見て、残った二人が必死に逃げのびようとしたのを、裂帛の一声!
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫
それに魘えて狂いまわる猿輩の裂帛の叫び……呑気な羊や、鶏の類までも眼を醒して、声を限りに啼き立て、喚めき立てている。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
その笑い声が途絶えた刹那またも裂帛の掛け声がした。
— 国枝史郎 『日置流系図』 青空文庫