火皿
ひざら
名詞
標準
bowl (of a pipe)
文例 · 用例
火皿は黒い油煙を揚げその下で一人の女が何かしきりに仕度をしてゐる。
— 宮沢賢治 『丹藤川〔「家長制度」先駆形〕』 青空文庫
草履ばきでも濡れさせまいと、船がそこった間だけ、負ってくれて、乗ると漕ぎ出すのを、水にまだ、足を浸したまま、鷭のような姿で立って、腰のふたつ提げの煙草入を抜いて、煙管と一所に手に持って、火皿をうつむけにして吹きながら、確かなもんだ確かなもんだと、銑さんの艪を誉めていた。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
火皿が黒い油煙を揚げるその下で、一人の女が何かしきりにこしらへてゐる。
— 宮沢賢治 『家長制度』 青空文庫
蝙蝠が居そうな鼻の穴に、煙は残って、火皿に白くなった吸殻を、ふっふっと、爺は掌の皺に吹落し、眉をしかめて、念のために、火の気のないのを目でためて、吹落すと、葉末にかかって、ぽすぽすと消える処を、もう一つ破草履で、ぐいと踏んで、「ようござらっせえました、御参詣でがすかな。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
」「さればなす……」 と、爺さんは、粉煙草を、三度ばかりに火皿の大きなのに撮み入れた。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
淀屋か何か知らないが、黒の合羽張の両提の煙草入、火皿までついてるが、何じゃ、塾じゃ揃いかい。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
それは、頭に火皿をのせ、手に二股の杖をついて、その書物をネフェルカプターの墓所へ返して行ったことである。
— 中島敦 『セトナ皇子(仮題)』 青空文庫
だがランプで火をつけるとあれば、どうやっても火皿を焦がしてしまう。
— THE YELLOW FACE 『土色の顔』 青空文庫
作例 · 標準
長年愛用しているキセルの火皿に、刻みたばこをふんわりと詰める。
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火皿の掃除を怠ると、ヤニが詰まって吸い味が悪くなってしまう。
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祖父は慣れた手つきで火皿の灰をポンと叩き落とした。
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標準
fire grate
作例 · 標準
ストーブの火皿に残った灰を掻き出し、新しい薪をくべる準備をする。
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鋳鉄製の火皿が熱で赤く染まり、部屋中に温もりが広がっていく。
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火皿の隙間から落ちる残り火が危ないので、受け皿を敷いておく。
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標準
flash pan (of a muzzle-loading gun)
作例 · 標準
火縄銃の火皿に点火用の粉薬を盛り、慎重に蓋を閉じた。
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湿気で火皿の火薬が湿ってしまい、引き金を引いても不発に終わった。
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演武の前に、火皿の汚れを丁寧に拭き取って確実に着火するようにした。
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ウィキペディア
火皿 とは、火縄銃(マッチロックガン)や燧石式銃(フリントロック式)の銃身薬室側面に張り出したように付けられた点火用の口薬を盛るための皿状の部位のこと。
出典: 火皿 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0