石文
せきぶん
名詞
標準
文例 · 用例
そうしてかような資料は、西紀三世紀の頃の『魏書』をはじめとして、支那歴代の史書や、日本の上代の金石文などの中にもあるけれども、それらはいずれも分量が少なく或る一時代の音韻全般にわたってこれを知ることは出来ない。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
白石文集、ことに「折焚く柴の記」からの綿密な書きぬきを対照しながら、清逸はほとんど寒さも忘れはてて筆を走らせた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
」かう考へて、義雄は大通りなる黒田伯の銅像を横切り、開拓碑の前に立つて、その石文を讀んで、自分自身とも思はれる北海道なる物の年齡を數へて見た。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
ちょうど金石文字や法帖と同じ事で、書を見ると人格がわかるなどと云う議論は全くこれから出るのであろうと考えられます。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
此墓石の処分といふことは、明治以後盛に東京府下に行れ、今に至つて猶|熄むことなく、金石文字は日々湮滅して行くのである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
浜野知三郎さんの言に拠るに、「北条子譲墓碣銘」は山陽の作つた最後の金石文であらうと云ふことである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
わたくしは金石文の事を知らない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
金石文字は人の意を用ゐるものだから、或は系譜の方が誤ではなからうか。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫