藪知らず
やぶしらず
名詞
標準
labyrinth
文例 · 用例
その帰り道、千葉の八幡へさしかかって例の『藪知らず』の藪の近所で茶店に休んだ。
— 岡本綺堂 『虎』 青空文庫
そこでいきおい正面の、藪地なるものが問題になるが、渋沢の藪地と来た日には、あの八幡の藪知らずより、もっとこみ入った藪地なんだからなあ。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
藪さんの自殺なんて、八幡の藪知らずでリュウマチの貉が迷つてゐるやうなもんですよ。
— 坂口安吾 『蒼茫夢』 青空文庫
また山地へ行くと『|藪知らず』ってのがある。
— タラノ音頭 ――コルシカ島の巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫
八幡の藪知らずで路に迷うて行きづまった場合には後へもどって別の道を試みるよりほかにいたし方がないごとく、哲学者も一度入り口までもどって、別の出発点から新たに研究を始めるのが得策ではなかろうか。
— 丘浅次郎 『我らの哲学』 青空文庫
天地の一町四方以内は、距離としては短かいけれども、微粉分子の一杯にまき散らされた粉の中のやうに、われわれ子供は、その八幡の藪知らずにふけり没して飽くことを知らなかつた。
— 木村荘八 『両国界隈』 青空文庫
ほんとうにそれは八幡の藪知らずのような、目もあやにややっこしい「芸」の怪鳥なく深山幽谷であり、九十九折だった。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
自分は平生こそ嫂の性質を幾分かしっかり手に握っているつもりであったが、いざ本式に彼女の口から本当のところを聞いて見ようとすると、まるで八幡の藪知らずへ這入ったように、すべてが解らなくなった。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
作例 · 標準
昔話に出てくる藪知らずは、一度入ると二度と出られないと言われている。
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子供の頃、友達と肝試しで、村外れの藪知らずに忍び込んだことがある。
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この迷宮のような植物園の奥は、まるで藪知らずのようだ。
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