鬱滞
うったい
名詞
標準
文例 · 用例
努火をカッと発するほどではないが、その火の気が籠り包まれていて、モヤモヤと雲が立つように、フツフツと酒が醸されるように、心中に物が在って鬱滞して、ムカつくのが慍である。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
窓越しに、淡墨をふくんだ瑠璃の夕空が重く淀んでをり、すこしも風の気とてない蒸暑く鬱滞した陋巷の空気が泥水のやうに動かずにゐた。
— 飯田蛇笏 『薄暮の貌』 青空文庫
この国へきてから、しばらく忘れていた血痰が、胸のどこかに、時機を待って鬱滞しているのではないかというような神経を起こしたりした。
— 木曾の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫