震災後
しんさいご
名詞
標準
文例 · 用例
雨上がりの、それはひどい震災後の道路を、自動車で残酷に揺られて行くうちに、朝から身体のどこかに隠れていた、名状の出来ないものの塊が、だんだんにからだ中に拡がって来るようであった。
— 寺田寅彦 『議会の印象』 青空文庫
僕の知る限りでは、日本の麻雀の發祥地は例の大震災後に松山省三が銀座裏から移つて一|時牛込の神樂坂上に經營してゐたカフエ・プランタンがそれらしい。
— 南部修太郎 『麻雀を語る』 青空文庫
――場所によると、震災後の、まだ焼原同然で、この貸本屋の裏の溝が流れ込んだ筈の横川などは跡も見えない。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
日本では震災後、東京に飲食店が夥しく殖えたが、それは飲食店開業が一番手早くて、どうにかやって行けるからだと聞いた。
— 岡本かの子 『異国食餌抄』 青空文庫
(大正十二年十一月、渋柿) * 震災後の十月十五日に酒匂川の仮橋を渡った。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
(大正十三年一月、渋柿) * 震災後、久しぶりで銀座を歩いてみた。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
それが、震災後はいったいにあたたかい明るい愉快な色の調子が勝って来た。
— 寺田寅彦 『LIBER STUDIORUM』 青空文庫
そのころの給仕人は和服に角帯姿であったが、震災後向かい側に引っ越してからそれがタキシードか何かに変わると同時にどういうものか自分にはここの敷居が高くなってしまった、一方ではまたSとかFとかKとかいうわれわれ向きの喫茶店ができたので自然にそっちへ足が向いた。
— 寺田寅彦 『コーヒー哲学序説』 青空文庫