青べか
あおべか
名詞
標準
文例 · 用例
「青べか」を買った話 芳爺さんに初めて会ったのは「東」の海水小屋であった。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
「あのぶっくれ舟か」と長が或るとき鼻柱へ皺をよらせ、さも軽蔑に耐えないというように云った、「青べかってえだよ」 この誇り高い小学三年生は、見る気にもなれないという顔つきでそっぽを向いた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
「先生はこの土地のことを詳しく見てえって云ってたんべが」と老人が喚いた、「そんなら岡の上べえ歩きまわってもしょあんめえじゃ、根戸川のまわりだの百万坪の※だの、堀もそうだし、沖へも出てみるがいいだ、それにはこの舟さえあれば用が足りるだよ」 まあ見てくれと云って、老人は伏せてある青べかをひき起こした。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
こうして私は「青べか」の持ち主になった。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
「いいさ、あんな舟」と私は帰る道で自分に云った、「乗らなければいいんだ」 私は明くる日、老人のところへ舟の代金と、豚肉を百匁だけ届け、なお青べかについて、二三のことを頼んだ。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
「先生は青べかを買っただって」暫くして倉なあこが訊いた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
青べか馴らし いかずちの船大工から、青べかの修理が終ったという知らせが来た。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
まえにも断わったように、その「青べか」は浦粕じゅうで知らない者のない、まぬけなぶっくれ舟であり、なかんずく子供たちには軽侮と嘲笑の的であった。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫