済家
せいか
名詞
標準
文例 · 用例
もちろん、村の医師であるから、玄関が繁昌する割合に大きな収入もなかったが、死んだ妻がなかなか経済家であった為に遠い以前から相当の財産を作って、商売の傍らには小金を貸しているという噂もあった。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
彼女自身からいえば自分ほど忠実な経済家はどこにもいない気なのである。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫
英国の経済家に自由法を悦ぶ者多くして、これを信ずる輩はあたかももって世界普通の定法のごとくに認むれども、アメリカの学者は保護法を唱えて自国一種の経済論を主張する者あり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
妻、三十後、大阪辺の生れ、生れつきの経済家が現代の流行である生活改善の潮流にのれて、社会主義的理論をもった。
— 一九二一年(大正十年) 『日記』 青空文庫
その若い義弟は経済の方の、顧問のような時局的経済家で、日常生活のなかでの話題は何千何万何々というわけです。
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
女の人が、総体経済家で、きれいずきで、家政的に育て上げられているのは、一寸傍から見れば、共に生活する男の人の幸福のようだが、右を向いても左を向いても、母、妻、姉妹皆同一の型でちんまり纏っているとうんざりと見え、京都の男は遊ぶ。
— 宮本百合子 『京都人の生活』 青空文庫
彼れは誰れにも推されず誰れにも戴かれずして日本の経済家となれり。
— 山路愛山 『明治文学史』 青空文庫
成程貧富の懸隔は無いではないが、これ迄の封建時代は、所謂国家社会主義のやうなもので、その上に例の支那流の経済家は兼併を禁じ、大地主大金持が出来るとその頭を叩き、或は諸侯が財産を取上げたり、棄損を唱へて貸借を無効にする。
— 木下尚江 『自由の使徒・島田三郎』 青空文庫