清浄無垢
せいじょうむく異読 しょうじょうむく
名詞
標準
purity
文例 · 用例
そこが今度の蔵元屋騒動の大切なカン処じゃ……お熊さんばっかりは、タッタ一目で貴方様のお気に入りました通り、清浄無垢の身体と心……」「ええッ。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
しかも園が……清逸が十二分の自信をもって掴みうべき機会を……今までの無興味な学校の課業と、暗い淋しい心の苦悶の中に、ただ一つ清浄無垢な光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるということは……清逸は何んといっても微かな未練を感じた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
彼は玉梓の悪霊を代表すると共に、仏説の所謂凡悩なるものを代表せり、この凡悩の人間に纏※するの実象を縮めて、之を伏姫と呼べる清浄無垢の女姫に加へたり。
— 北村透谷 『処女の純潔を論ず』 青空文庫
そのはにかんでいる様子は、今日まで多くの男をだまして来た女とは露ほども見えないで、清浄無垢の乙女がその衣物を一枚一枚|剥がれて行くような優しさであった。
— 岩野泡鳴 『耽溺』 青空文庫
さて一方には神社ごとき清浄無垢在来通りで何の不都合なき本邦固有特色の快楽場を滅却せしめ、富人豪族が神社跡に別荘を立て、はなはだしきは娼妓屋を開きなどするに、貧民の婦女児童は従来と異り、また神社に詣でて無邪気の遊戯を神林中に催すを得ず。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
妾が、清浄無垢な青木さんを迷わしたようなことをお云いになる。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
あの名前の通りに可憐な、清浄無垢な姿をした彼女は、貴下と小生の名を呪咀いながら自殺したのです。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
そうした彼女の気持の清浄無垢さを誇りたい彼女の心の奥の何ものかが、こうした名前に言い知れぬ執着を感じていたせいでは、あるまいか。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫