富ます
とます
動詞-五段-サ行
標準
to enrich
文例 · 用例
文人の本来は感興を重んじて機械的に頭脳を働かすべき筈で無いが、幸いに印刷術の進歩が文人の頭脳の組織をも一変して、名什傑作が轆轤細工のようにドシ/\出来たなら、今までのように実際家に軽蔑されないほどの収入を得て、貧乏な日本の国庫を富ますに足るほどの文学税を納める事が出来るかも知れない。
— 内田魯庵 『駆逐されんとする文人』 青空文庫
或る者は彼等の知的眼界を広め、経験を富ますために小説を読み、他の者は小説から、観察と批評の楽しみをひき出すであらう。
— 平林初之輔 『商品としての近代小説』 青空文庫
金錢のみ人を富ますものに非ず、權勢のみ人を貴くするものに非ず、爾の胸に王國を認むるものにして、初めて與に美的生活を語るべけむ。
— 高山樗牛 『美的生活を論ず』 青空文庫
働く人の労働力が、その人々を傭っている人、つまり企業家を富ます目的でだけ利用されている社会では働く人の文化の要求は文化的な面で、金儲けをする企業家の餌食となってゆくばかりです。
— 宮本百合子 『若人の要求』 青空文庫
一方に貧乏文士や教師の手内職は奪つたやうであるが、他方に於てはそれは資本家自身を富ますのみならず、また多大な富を翻訳者自身に与へるやうになつた。
— 戸川秋骨 『翻訳製造株式会社』 青空文庫
さればこの上さらに公営事業を拡張することとなれば、個人にとっては次第に金もうけの仕事が減るので、一部の実業家にはずいぶん反対もあるであろうが、しかしほんとうに考うれば、一部の実業家を利するよりも、国民全体を富ます方が得策な場合がはなはだ少なからぬであろう。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
知識は生きる方を考えてこそ、人間を富ますのですからね。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
この一発明が何んなに大阪人を、日本人を富ますか、この新らしい研究に何んという後援者が、いくら金を出したか判らぬが、恐らく、この仕事が、工業化された場合、その利益は、その研究費の何万倍になって戻るか、判らないであろう。
— 直木三十五 『大阪を歩く』 青空文庫
作例 · 標準
産業を振興し、国を富ますことが、我々の世代に課せられた使命だ。
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貿易の拡大によって得られた利益が、都市のインフラをさらに富ませした。
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賢明な政策は、一部の権力者だけでなく、民衆の生活をも富ますべきだ。
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