石炭酸
せきたんさん
名詞
標準
phenol
文例 · 用例
」 石炭酸の臭いがプン/\している病院の手術室へ這入ると、武松は、何気なく先生、こんな片身をそぎ取られて、腹に穴があいて、一分間と生きとれるもんですか、ときいた。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫
解剖臺のテーブルの上には、アルコールの瓶だの石炭酸の瓶だの、ピンセットだの鋸だの鋏だの刀だの、全て解剖に必要な器械や藥品が並べてある。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
それでも空地に溝がながれて木が生え白き石炭酸の臭ひはぷんぷんたり。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
近所の医者の処へ石炭酸水を貰いに遣れと云う人がある。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
この時、海に最も近い沖ノ端の漁師原には男も女も半裸体のまま紅い西瓜をむさぼり、石炭酸の強い異臭の中に昼は寝ね、夜は病魔退散のまじなひとして廃れた街の中、或は堀の柳のかげに BANKO(縁台)を持ち出しては盛んに花火を揚げる。
— 北原白秋 『水郷柳河』 青空文庫
医者は、やがて腕をまくり上げて、ふと隅にあった石炭酸を見つけだして。
— 素木しづ 『かなしみの日より』 青空文庫
『え、石炭酸がたくさんありましたから、それで十分でした。
— 素木しづ 『かなしみの日より』 青空文庫
仁右衛門夫婦の嗅ぎつけない石炭酸の香は二人を小屋から追出してしまった。
— 有島武郎 『カインの末裔』 青空文庫
作例 · 標準
石炭酸は強力な殺菌作用を持つため、かつては消毒液として広く利用されていた。
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実験室に漂う石炭酸の独特な臭いは、どこか薬品めいていて鼻につく。
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フェノールの別名が石炭酸であることを、化学の授業で初めて知った。
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