青柿
あおがき
名詞
標準
文例 · 用例
・朝曇朝蜘蛛ぶらさがらせてをく・この木で二円といふ青柿のしづかなるかな・蒸暑い木の葉いちまい落ちた・私の食卓、夏草と梅干と今日は梅干とランキヨウとで食べた、もう三週間あまり魚を買はない、野菜が一等おいしい。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
・虫が鳴く一人になりきつた・けさも青柿一つ落ちてゐて 八月十七日やつぱりいけない、捨鉢気分で飲んだ、その酒の苦さ、そしてその酔の下らなさ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
――・深夜の鏡にふか/″\と映つてゐる顔 あれは青柿が落ちた夜の音 八月二十一日草取、身辺整理。
— 仙崎 『行乞記』 青空文庫
・どうにもならない空から青柿・若竹はほしいままに伸びる炎天・雨を待つ風鈴のしきりに鳴る・炎天のはてもなく蟻の行列・身のまはり草の生えては咲いては実る(改作) 七月十四日曇、おかげでよいお盆が迎へられました。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・山のすがたが三十五年の夢(山口にて)・ここで死にたい萱の穂の散りてはとぶ・山あをあをと死んでゆく・みんな死んでしまうことの水音・ぽとりと青柿が炎天の音・しがないくらしの、草がやたらにしげります・夏の夜あるけばいつか人ごみの中 七月廿五日曇、少雨、まるで梅雨のやうな土用である。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
福田氏の文展二回の『青柿』には作品に怖るべき質的昂揚があるのである、しかも吉岡氏の作品にも、同系列の質的昂揚のある作品が少くないことも注意すべきである。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
徳さんは勘定を受取りにくる時に、庭の青柿の枝をたくさん切って来てくれて、「渋くってとても食べられません、花活けへでもお挿しください。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
徳さんは勘定を受け取りにくる時に、庭の青柿の枝をたくさんに切って来てくれて、「渋くってとても食べられません、花活けへでもおした。
— 岡本綺堂 『ゆず湯』 青空文庫