火の見
ひのみ
名詞
標準
fire tower
文例 · 用例
村の夕暮れのにぎわいは格別で、壮年|男女は一日の仕事のしまいに忙しく子供は薄暗い垣根の陰や竈の火の見える軒先に集まって笑ったり歌ったり泣いたりしている、これはどこの田舎も同じことであるが、僕は荒涼たる阿蘇の草原から駆け下りて突然、この人寰に投じた時ほど、これらの光景に搏たれたことはない。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
火の見櫓の上には鳶が眠つたやうに止まつてゐた。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
喬は屈託した気持で、思いついたまま、勝手を知ったこの家の火の見へ上って行こうと思った。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
火の見へあがると、この界隈を覆っているのは暗い甍であった。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
その或ものは、黒檀の火の見櫓に、星の泡を漲らせた。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
市場の辻の消防|屯所夜でも昼でも火の見で見張りぐるぐる見回る 北は……… 南は……… 西は……… 東は………どっかに煙はさて見えないか。
— 寺田寅彦 『火事教育』 青空文庫
そこには一丈もありそうな棒矢来の塀と、昔風に黒渋で塗られた火の見|櫓があった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
夜になって闇の沖にいさり火の見えるのも苦しかった。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
作例 · 標準
村の高台にある火の見からは、集落全体が一望でき、異変があればすぐに発見できる。
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火の見に登った当番の男が、遠くの煙を見つけて激しく鐘を打ち鳴らした。
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古い絵図には、町の至る所に火の見が設置されていた様子が描かれている。
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