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殆一

殆一
名詞
1
標準
文例 · 用例
ハルトマンの哲學は、ウンド出でざる前に於ては、殆一世を風靡せりきともいふべしといへり。
森鴎外 柵草紙の山房論文 青空文庫
寺にゐた間は平八郎が殆一|言も物を言はなかつた。
森鴎外 大塩平八郎 青空文庫
唯だ夫れ老荘の、心を以て太虚となし、この太虚こそ真理の形象なりと認むる如き、又は陽明派の良知良能、禅僧の心は宇宙の至粋にして心と真理と殆一躰視するが如きは、基督教の心を備へたる後に真理を迎ふるものと同一視すべからず。
北村透谷 各人心宮内の秘宮 青空文庫
が、短い日限内に、果すべき用向きの多かつた夫は、唯彼女の母親の所へ、来※々顔を出した時の外は、殆一日も彼女をつれて、外出する機会を見出さなかつた。
芥川龍之介 青空文庫
処が主上は、殆一年中、祭りをしてゐられるので、神と人との区別がつかなくなつた。
折口信夫 古代人の思考の基礎 青空文庫
ほはふと殆一つ音である。
折口信夫 熟語構成法から観察した語根論の断簡 青空文庫
小有天は何しろ上海でも、夜は殊に賑かな三馬路の往来に面しているから、欄干の外の車馬の響は、殆一分も止む事はない。
芥川龍之介 上海游記 青空文庫
その道中短きものは五六箇月、長きものは殆一箇年、家を出る時は妻だった女も、家へ帰る時は母になるそうである。
芥川龍之介 長江游記 青空文庫