憚様
憚様
名詞
標準
文例 · 用例
」「憚様、お座敷は宵の口だけですよ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」「どう致しまして、憚様。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
飯炊は面を膨らして、(へん、ちゃぶ屋の姉さんじゃあるまいし、夜更にお客は取りませんからね、昼間寝たりなんかしませんよ、はい、憚様でございますよ、空いたのはそこに出してあら、)といいずてに伸をして、ふてくされてふいと立った。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
(憚様ですがちょいとそうおっしゃって下さいましな、またお客様で御邪魔だと悪うございます。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
左の手を畳に衝いて受けた杯に、おちゃらが酌をすると、「憚様」と挨拶をする。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
甘糟の痒きに堪へんことを僕は丁と洞察してをるのだ」「これは憚様です」 大島紬の紳士は黏着いたるやうに靠れたりし身を遽に起して、「風早、君と僕はね、今日は実際犠牲に供されてゐるのだよ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
」「その件の外に未だお話があるのでございます」「大相有りますな」「酔はないと申上げ難い事なのですから、私少々酔ひますから貴方、憚様ですが、もう一つお酌を」「酔つちや困ります。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
「失礼ですけれど、私はお先へ御飯を戴きます」 貫一が飯桶を引寄せんとするを、はたと抑へて、「お給仕なれば私致します」「それは憚様です」 満枝は飯桶を我が側に取寄せしが、茶椀をそれに伏せて、彼方の壁際に推遣りたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫