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笛音

てきおん
名詞
1
標準
文例 · 用例
風もあった――単なる冷たく湿ったすきま風ではなく、暴力的な、目的を持った疾風が、厭うべき笛音の源である忌まわしの淵から冷酷に噴出してくるのだ。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫
この瞬間には、背後から吹く冷風と吐き気を催す甲高い笛音が、前方に口を開ける恐怖の深淵についての想像を鈍らせてくれるありがたい麻薬のようなものだった。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫
その時、他の突風と笛音が前から加わってきた――忌まわしい流れが目前に吹き上がったのだ。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫
その間じゅう、湿った蒸気の冷たい指が私を摘み、不気味な忌まわしい笛音が悪魔のような叫びをあげ、周囲の暗黒の渦の中で次々に入れ替わっていく騒音のバベルと沈黙とを圧していた。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 時間からの影 青空文庫
そこではヴィクトリア・ランドの山脈が嘲笑し、不安を秘めた南極の空を背景に西方へと流し目を使い、嘆く風の音を捻っては広い音高に渉る音楽的な笛音へと変じ、我が魂をどん底まで凍らせるのだった。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 狂気の山脈にて 青空文庫
背後の大山脈の通路を吹き荒ぶ風はここでは感じられなかったが、それでもなお幽かな吠え声や笛音さえもが悪意を込めた放縦な音調を呈していた。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 狂気の山脈にて 青空文庫
どこからともなく――押し殺した音楽的な笛音が、山の洞窟でしていた風音と似ていなくもない音が、しかし不安なことに何か違った感じの音が聞こえてきたと。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 狂気の山脈にて 青空文庫
そしてまた幽かな音楽的笛音のことを――足跡を見た直後にどこか下の方から聞こえてきたような気がしたらしい――それは強風が吹く峰々の洞穴口から響いていた音に酷似していたにも拘らず、レイクの剖検の結果に照らして考えると恐ろしい程の重要性を持ち得るのだ。
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 狂気の山脈にて 青空文庫