尖端的
せんたんてき
名詞
標準
文例 · 用例
第一にはημωνの尖端的強調による民族的自我の自覚である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
不遇傲岸に見える小布施は、案外、時流に神経質で、十六七年も前桂子と同門で矢来町のY――先生の画室に預けられてゐた時分から、逐次独立するまで、後期印象派、ダヾ、表現派、新古典、超現実派と、およそ日本で尖端的に見える画風は魁けしてこれを取り入れ、通俗派の方面にぶつかつて行つた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
銀座にはうまい珈琲や菓子を食べさす家が出来、勧工場の階上に尖端的なキャヴァレイが出現したりした。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
東京から来るのもあり、仙台あたりから来るのもあり、尖端的な歌劇の一座ともなれば、前触れに太鼓や喇叭を吹き立て、冬|籠りの町を車で練り歩くのであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
着物でも、住居でも、料理でも、酒でも、香料でも……ね……御存じでしょう……エロの方面でも何でも、個人的な享楽機関と来たら、四千年の歴史を背景にしているだけに、スバラシイ尖端的なところまで発達を遂げているんです。
— 夢野久作 『狂人は笑う』 青空文庫
……まさかソレ程の素晴らしい、尖端的なハイカラ犯罪が、勿体なくも八幡宮のお膝下に住居する仏惣兵衛の、正直の頭に宿ろう等とは思われないが、しかし現場から感じた吾輩のインスピレーションの正体は、突飛でも何でも、たしかにソレなんだから止むを得ない。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
近頃流行の猟奇趣味とか、探偵趣味なぞいうものが、足元にも寄り付けないくらい神秘的な、尖端的な、グロテスクな、怪奇、毒悪を極めた……ナニ、まだ見た事がないから見せてくれ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
ちょうど外人が日本の錦絵を賞讃して、その中に含まれている尖端的な芸術味を驚異玩味しつつ彼等の芸術に取り入れ初めて以来、日本の芸術家たちが足下から鳥が立ったように錦絵礼讃を初めたのと同一軌である。
— 夢野久作 『能とは何か』 青空文庫