聞き流し
ききながし
名詞
標準
文例 · 用例
二人づれで私のところにやって来ると、ひとりは、もっぱら華やかに愚問を連発して私にからかわれても恐悦の態で、そうして私の答弁は上の空で聞き流し、ただひたすら一座を気まずくしないように努力して、それからもうひとりは、少し暗いところに坐って黙って私の言葉に耳を澄ましている。
— 太宰治 『散華』 青空文庫
そんなに固くならずに、平然とお聞き流しを願う。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
どうです、お嬢さんを等と不謹慎な冗談を言い出して、父は、いい加減に聞き流し、とにかく画だけは買って会社の応接室の壁に掛けて置いたら、二、三日して、また但馬さんがやって来て、こんどは本気に申し込んだというじゃありませんか。
— 太宰治 『きりぎりす』 青空文庫
」私の精一ぱいの言葉を、なんの表情もなく聞き流して、「今度の雜誌のことだつて、僕は徹頭徹尾、信じてゐません。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
本当に、平気でお聞き流し願います。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
王妃の大事な子供だから、あなたも大事にしようと思いました等という突飛な意見は、私ひとりは笑って聞き流して、許してもあげますが、他のひとにそんな事を言ったら、あなたは白痴か気違い扱いにされてしまいます。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
君は之に就いてどう思うか、と言うのだが、まいどの事でもあり、私はれいのとおり、いい加減に聞き流して、「周さんは、その手紙を見たのですか?
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
」「僕は馬場さんを信じています」「はあ、そうですか」私の精一ぱいの言葉を、なんの表情もなく聞き流して、「今度の雑誌のことだって、僕は徹頭徹尾、信じていません。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫