見受け
みうけ
名詞
標準
文例 · 用例
『小説を書かうといふ欲求は、今日の多くの若い作家にあつては、そんなに内因的な欲求から出発してはゐないやうに見受ける。
— 中原中也 『アンドレ・ジイド管見』 青空文庫
実際文壇に出ることが容易になつた此の頃は、さういつた文学青年も少くないことで、一知半解の故に却て元気がいいといつた風の元気が、本当の元気と間違へられる風景は、毎日のやうに見受けられることである)。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
これは普通火山で見受ける、赫く焦げた熔岩とは思えないので、道者連は真石と称えているが、平林理学士に従えば、橄欖輝石富士岩に属しているそうだ。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
かかる所には怖ろしい罅穴(Crevasse)が出来て、穴の深さは二、三丈位に達するのを往々見受ける。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
こういう次第で、この谿谷の川面に近い、街道筋では各々様々の色をした白色レグホンが、餌を拾っているのが見受けられるのである。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
何か煩悶の様子に見受けられたが、果して彼にもまた一種奇妙な苦労があったのである。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
覚悟の御最後と見受けられます。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
まさかこの聖戦下に、こんな贅沢は出来るわけがないし、また失礼ながらあまり裕福とは見受けられない黄村先生のお茶会には、こんな饗応の一つも期待出来ず、まあせいぜい一ぱいの薄茶にありつけるくらいのところであろうとは思いながらも、このような、おいしそうな献立は、ただ読むだけでも充分に楽しいものである。
— 太宰治 『不審庵』 青空文庫