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惻隠の情

そくいんのじょう
名詞
1
標準
compassion
文例 · 用例
」 おずおずその袂を曳きて、惻隠の情を動かさむとせり。
泉鏡花 取舵 青空文庫
惻隠の情もじかに胸に落ちこむのだ。
織田作之助 馬地獄 青空文庫
けっしてそれはあり余る金ではなかったが、惻隠の情はまだ温く尾をひいていたのだ。
織田作之助 馬地獄 青空文庫
ペッチグリウ博士続けていわく、予かつて高等哺乳動物の心室と心耳の動作を精測したき事あって一疋の猴の躯を嚢に入れてひっ掻かるるを防ぎ、これにクロロホルムを施すに猴あたかも予の目的を洞察せるごとく、悲しみ気遣いながら抵抗せず、予の為す任に順いしは転た予をして惻隠の情に堪えざらしめた。
猴に関する伝説 十二支考 青空文庫
処へ二児の養育者ヴァルミキ仙来って、惻隠の情に堪えず、呪言を唱えてことごとく蘇生せしむ。
猴に関する伝説 十二支考 青空文庫
生きながら姿で埋められた一人の兵卒の銃口が叢が茂った幾星霜の今日もなお現れていて、それを眺めた人々は思わずも惻隠の情をうごかされ、恐らくはそこに膝をついて、その銃口を撫でてやるのであろう。
宮本百合子 金色の口 青空文庫
そうだ、ともすれば鈍ろうとする復讐の念を強めるためにも、また時あって湧き起こる惻隠の情を消すためにも……」「どうなされました。
国枝史郎 神州纐纈城 青空文庫
そう想えば、旅人の集りに似た宿所となった一間とはいえ、も早や互いに惻隠の情さえ通わぬのはただ想うふるさとの相違するものあるばかりかもしれなかった。
横光利一 旅愁 青空文庫
作例 · 標準
倒産に追い込まれたライバル会社の社長に対し、彼はライバルながらも惻隠の情を禁じ得なかった。
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悪役の悲しい過去を知った視聴者の多くが、そのキャラクターに対して惻隠の情を抱いた。
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「困っている人を助けるのに理屈はいらない。惻隠の情に従えばいいのだ」と老医師は語った。
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