幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
素裸で村の川や溝へ入っては、鮒鰌をすくったり、蛙を呑んでいる蛇などを見つけては、尻尾を手づかみにして叩き殺す位なことは、平凡ないたずらの方であった。
伊藤左千夫 井戸 青空文庫
それから先は両側の松林が幹を差替わす許に遠くつづいて石畳の路を掩うている、奥にはほんのり暗くて何のあるのも判らない、ただ敷石の道が白く長く帯を延した様に奥深く通じて居るのが見える許りである、予等二人が十五六|間も進んで入ってゆくと漸く前面にぼんやり萱葺の門が見えだした。
伊藤左千夫 八幡の森 青空文庫
危き橋をようようにいわたりて終に下り着くに滝のしぶき一面に雨の如く足もとより逆に吹きあぐるさますさまじく恐ろしく暫くも彳みかねつ。
伊藤左千夫 滝見の旅 青空文庫
狭き庭の中垣ともいわず手水鉢ともいわず朝顔をいつかせたり。
伊藤左千夫 草花日記 青空文庫
だが読んで見れば、感想文も面白く、作歌も相当に面白く、歌と云ふものを、石川君のやうに考へ、歌と云ふものに、さういふ風に入つて行かねばならない道もあるだらうと首肯される点も充分認められるのである。
伊藤左千夫 『悲しき玩具』を読む 青空文庫
自分が母につれられてお松が家の庭へ入った時には、梅の花が黒い湿った土に散っていた。
伊藤左千夫 守の家 青空文庫
庭半分程入って行くと、お松は母と二人で糸をかえしていて、自分達を認めると直ぐ「あれまア坊さんが」と云って駈け降りて来た。
伊藤左千夫 守の家 青空文庫
する処へ赤い顔の背の高い五十|許りの爺が庭から、さげた手を振りつつ入って来た。
伊藤左千夫 守の家 青空文庫