移し植える
うつしうえる
動詞
標準
文例 · 用例
ぼくが研究していることは、すでに存在する生命を、他のものに移し植えることではない。
— 海野十三 『金属人間』 青空文庫
それとも博士によって創造された美しき人造人間に人間の魂を移し植えるために奏せられるのであろうか。
— 海野十三 『十八時の音楽浴』 青空文庫
春の彼岸頃、旧根が腐って新芽が出だしたのを、逆様に移し植えるのを以て法とする。
— 豊島与志雄 『蓮』 青空文庫
そして叔父の意見を参考にして、蓮を移し植えるのを翌年の春まで延した。
— 豊島与志雄 『蓮』 青空文庫
私は頭で到達した帰結に満足して、それを胸の奥に移し植えるだけの労を取らなかったのである。
— 豊島与志雄 『理想の女』 青空文庫
一つの場合に就いて云われることは、そのままでは他の場合に之を移し植えることが出来ない。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫
建築は元より人工のものなれば風土気候の如何によらず亜細亜の土上に欧羅巴の塔を建るも容易であるが、天然の植物に至っては人意のままに猥にこれを移し植えることは出来ない。
— 一名 東京散策記 『日和下駄』 青空文庫
ただ、いかにも昔は陰気でひねこびていたのが(私は馬きん時代のこの人の高座をハッキリと覚えているが)、事変三、四年前、初めて三語楼という陽花植物を己れの芸の花園へ移し植えるに及んで、めきめきとこの人の本然の持ち味は開花した。
— 正岡容 『随筆 寄席囃子』 青空文庫