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野守

のもり
名詞
1
標準
文例 · 用例
ここに細川方の幕僚で丹波を領している細川|下野守教春も、その数に洩れず、急いで国元へ引返して行きました。
岡本かの子 鯉魚 青空文庫
将門の弟の将頼は下野守に、上野守に常羽御厩別当多治経明を、常陸守に藤原玄茂を、上総守に興世王を、安房守に文室好立を、相模守に平将文を、伊豆守に平将武を、下総守に平将為を、それ/″\の受領が定められた。
幸田露伴 平将門 青空文庫
小僧はすぐに青山|下野守屋敷の辻番所へ訴えると、辻番の者もふだんから小僧の顔を識っているので、現場まで一緒に来てくれた。
青山の仇討 半七捕物帳 青空文庫
二人は赤坂の方から行きむかったので、まず道順として青山下野守屋敷の辻番所に就いて、金右衛門一件の顛末を訊きただした。
青山の仇討 半七捕物帳 青空文庫
ところが舞台に入ってみると、「野守」の「切」のお稽古で、その稽古振りの猛烈なこと、とても形容の及ぶところでない。
夢野久作 梅津只圓翁伝 青空文庫
「それじゃけに喜多流は六かしい」……と翁が人に話していた言葉を記憶しているが、正にその通りで、殊に「野守」の仕舞の如きは、その前後に見た翁の稽古の中でも最も峻厳、酷烈を極めたものであったように思う。
夢野久作 梅津只圓翁伝 青空文庫
後年九段能楽堂で名人に準ぜられている某氏の「野守」の仕舞を見た事があるが、失礼ながらあのような天才的な冴えから来た擬古的な折れ曲りとは違う。
夢野久作 梅津只圓翁伝 青空文庫
同じ「野守」でも只圓翁のは時間的には非常に急迫した、急転直下式の感じに圧倒されながら、あとから考えると誠にユッタリした神韻縹渺たる感じが今に残っている。
夢野久作 梅津只圓翁伝 青空文庫