木枝
きえだ
名詞
標準
文例 · 用例
小さな築山と木枝の茂みや、池と庭草は、電灯の光は受けても薄板金で張ったり、針金で輪廓を取ったりした小さなセットにしか見えない。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
わたくしを見ても知らん顔をして横向きのまゝ、わたくしの足の先五六尺のところへさいかちの虫を投げ出したり、木枝についている蛾の蚕を投げたりいたします。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
しかし眼近かのこれ等の色彩を物の数ともしないように池の渚の草の綾条から、築山の木枝の参差へかけて、満庭の鬱々としてまた媚々たる、ものゝ芽の芽立ちの色の何という嫉たましいまでに美しく人を牽き付けることでしょう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
爾来かかる事に思わぬ日を経て、遂に同地の有志者|長井氏克氏らに送られつつ、鈴鹿峠に至り、それより徒歩あるいは汽車にて大阪に出づるの途中、植木枝盛氏の出迎えあり、妾に美しき薔薇花の花束を贈らる、一同へもそれぞれの贈り物あり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
定家卿の『建仁元年後鳥羽院熊野御幸記』に鹿瀬山を過ぎて暫く山中に休息小食す、この所にて上下木枝を伐り、分に随って槌を作り、榊の枝に結い付け、内ノハタノ王子に持参(ツチ分罰童子云々)し各これを結い付く。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
だからして虎は人を襲うに今度は誰を食うとちゃんと目算が立ちおり、その者現に家にありやと考えもし疑わしくば木枝を空中に擲て、その向う処を見て占うという。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
」 木枝の影に蝉が一匹止つてゐる。
— 牧野信一 『蝉』 青空文庫
妾はお前の手が幸ひの木枝に触れるのを注意深く視守るであらう。
— An episode from the forest 『祝福された星の歌』 青空文庫