纔
ひたた
副詞
標準
just a tiny bit
文例 · 用例
これより一説ある處、何の大晦日を逃げた癖に、尊徳樣もないものだと、編輯の同人手を拍つて大に嘲けるに、たじ/\となり、敢て我胸中に蓄へたる富國經濟の道を説かず、纔に城の俤を記すのみ。
— 泉鏡太郎 『城の石垣』 青空文庫
小屋の中には単こればかりでなく、両傍に堆く偉大な材木を積んであるが、その嵩は与吉の丈より高いので、纔に鋸屑の降積った上に、小さな身体一ツ入れるより他に余地はない。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
堂の書附には故将堂とあり、大さ纔に二間四方許の小堂なり、本尊だに右の如くなれば、此小堂の破損はいふ迄もなし、やう/\に縁にあがり見るに、内に仏とてもなく、唯婦人の甲胄して長刀を持ちたる木像二つを安置せり。
— 泉鏡太郎 『甲冑堂』 青空文庫
「はあ、はあ、」 と、纔かに便を得たらしく、我を忘れて擦り寄った。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
更に街西の僧院を假りて獨り心靜かに書を讀ましむるに、日を經ること纔に旬なるに、和尚のために其の狂暴を訴へらる。
— 泉鏡花 『花間文字』 青空文庫
晦冥陰慘、雲冷たく、風寒く、征衣纔に黒くして髮忽ち白し。
— 泉鏡花 『花間文字』 青空文庫
「ほんの纔ばかり、一|撮み、手巾、お手拭の端、切ッ屑、お鼻紙、お手許お有合せの柔かなものにちょいとつけて、」 婦人は絹の襤褸切に件の粉を包んで、俯向いて、真鍮の板金を取った。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」 トちょっと更まった容子をして、うしろ見られる趣で、その二階家の前から路が一畝り、矮い藁屋の、屋根にも葉にも一面の、椿の花の紅の中へ入って、菜畠へ纔に顕れ、苗代田でまた絶えて、遥かに山の裾の翠に添うて、濁った灰汁の色をなして、ゆったりと向うへ通じて、左右から突出た山でとまる。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
作例 · 標準
纔ばかり残ったワインを、ゆっくりと味わった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
彼の顔には、纔かながら不安の色が見えた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
夜空には纔かに星が瞬いていた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash