後園
こうえん
名詞
標準
文例 · 用例
麗姫は自分の館の後園の池のほとりを散歩して居た。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
それ手を取れ足を持ち上げよと多勢口々に罵り騒ぐところへ、後園の花|二枝三枝|剪んで床の眺めにせんと、境内あちこち逍遙されし朗円上人、木蘭色の無垢を着て左の手に女郎花桔梗、右の手に朱塗の把りの鋏持たせられしまま、図らずここに来かかりたまいぬ。
— 幸田露伴 『五重塔』 青空文庫
この公園は旧三十五万石を領せる池田侯爵の後園にして、四時の眺め尽せぬ日本三公園の一なり。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
居る所を陶後園と云ふ。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
真野松宇陶後園菊花盛開、贈主人。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
丸山の家の後園には梅林があつた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
伊沢氏では年毎に後園の梅を※蔵して四斗樽二つを得た。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
蝋石のやうにつめたく、滑らかな肌をしたこの後園の尼僧は、生れつき環境の騒々しさを好まないところから、わざとすべての草木は枯れ落ち、太陽の光さへも涙ぐむこの頃の時季を選び、孤寒と静寂との草庵のなかに、独自の生涯を営み始める。
— 薄田泣菫 『水仙の幻想』 青空文庫