踏止
踏止
名詞
標準
文例 · 用例
と一生懸命、裳を乱して遁げ出づれば、縛の縄の端を踏止められて後居に倒れ、「誰ぞ助けて、助けて。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
が、素捷い身のこなし、足の踏立変えの巧さで、二三歩泳ぎはしたが、しゃんと踏止まった。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
これも驚いて仰反って倒れんばかりにはなったが、辛く踏止まって、そして踏止まると共に其姿勢で、立ったまま男を憎悪と憤怒との眼で睨み下した。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
あらかじめロープをもって銘々の身をつないで、一人が落ちても他が踏止まり、そして個々の危険を救うようにしてあったのでありますけれども、何せ絶壁の処で落ちかかったのですから堪りません、二人に負けて第三番目も落ちて行く。
— 幸田露伴 『幻談』 青空文庫
そして幾箇の橋を渡ツて幾度道を回ツたか知らぬが、ふいに、石か何かに躓いて、よろ/\として、危く轉びさうになるのを、辛而踏止ツたが、それですツかり眼が覺めて了ツた。
— 三島霜川 『水郷』 青空文庫
勝頼「汝馬から離れれば必ず討死することになるぞ」と云うと、恩義の故に命は軽い、忰をどうぞ御引立下さいと応え、勝頼の馬の手綱を採って押戴き、踏止まって討死した。
— 菊池寛 『長篠合戦』 青空文庫
貫一は覚えず踏止りぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
貫一は覚えず足を踏止めて、その※れる眼を花に注ぎつ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫