所由
しょゆう
名詞
標準
文例 · 用例
教会員ら呆然として為す所を知らず、一人としてその所由を解し得る者がない。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
この、物質界に行われる原理を、鉛を食う虫の場合の生理的現象に応用する訳には行かないし、いわんや人間の精神現象に持ち込むべき所由はもとよりない。
— 寺田寅彦 『鉛をかじる虫』 青空文庫
同様に例えば日本の短歌の詩形が日本で始めて発生したものと速断するのも所由のないことであろうと思う。
— 寺田寅彦 『短歌の詩形』 青空文庫
睡蓮という名の所由がやっとわかったのである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
子規が天文地理の季題が壯大なことを詠ずるに適して居ると云つたのも所由のあることである。
— 寺田寅彦 『天文と俳句』 青空文庫
「レオナルド・ダ・ヴィンチが現代に生まれていたら、彼は映画に手を着けたであろう」とだれかが言っているのは真に所由のあることと思われる。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
目下大審院に於て審問中なる幸徳傳次郎外二十三名に對する陰謀事件に就き、裁判所の構成及其訴訟手續等に關し、世上往々誤解を懷き、裁判所が特に本件に限り、臨時便宜の裁判を爲す者なるが如く思惟する者あるを以て、左に、本件の訴訟手續は固より法令に準據し、毫も批議すべき點なき所由の大要を説明すべし。
— 石川啄木 『日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象』 青空文庫
所由を聞き「なるほど解りやした、当節|衒がはやるから、それで二重どりをさせねえ魂胆、よくしたものでごぜえやすねえ」といふ。
— 三木竹二 『いがみの権太』 青空文庫