瞰望
瞰望
名詞
標準
文例 · 用例
天主閣の最上層の高欄へ出たところで、私たちはまづ南方の大平野を瞰望した。
— 北原白秋 『白帝城』 青空文庫
四十二年十月 瞰望わが瞰望はありとあらゆる悲愁の外に立ちて、東京の午後四時過ぎの日光と色と音とを怖れたり。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
あらゆるものの疲れたる七月の午後、わが瞰望の凡ての色と音と光を圧すごとく、凡ての上にうち湿る「東京の青白き墳墓」ニコライ堂の内秘より、薄闇き円頂閣を越えて大釣鐘は騒がしく霊の内と外とに鳴り響く。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
竹林に恵れた小田原の山荘に於ける震災前後の生活から、珠数工に隣り住んだ谷中天王寺十八番地の仮寓時代、大森は馬込の月光の谿を瞰望した丘の上の一年が此の間に推移した。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
三等の食堂は一段上になっているので、下の雑居室は真上からそのまま瞰望せるのである。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
其後本郷動坂へ移つてより、私の詩風は一転して、かの『S組合の白痴』中の『雑草園』『瞰望』の如きものとなつた。
— 東京景物詩改題に就て 『雪と花火余言』 青空文庫
天守閣の最上層の勾欄へ出たところで、私たちはまず両方の大平野を瞰望した。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
靜かな曇り日に、數千の甍が遠く相並んでゐて、その間に往々神社佛閣の更に大きなものが聳え出てゐるのを瞰望してゐると、如何にも平和であるといふ氣が起つて來る。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫