塩場菜
しばな異読 シバナ
名詞
標準
Triglochin maritima var. asiatica (variety of seaside arrowgrass)
文例 · 用例
まひる利根川のほとりを歩めば、二人歩めばしばなくつぐみ、つぐみの鳴くに感じたるわが友のしんじつは尚深けれども、いまもわが身の身うちよりもえいづる、永日の嘆きはいやさらにときがたし、まことに故郷の春はさびしく、ここらへて山際の雪消ゆるを見ず。
— 萩原朔太郎 『利根川の岸邊より』 青空文庫
城下より来たりて源叔父の舟頼まんものは海に突出し巌に腰を掛けしことしばしばなり、今は火薬の力もて危うき崖も裂かれたれど。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
車夫はその不景気を馬車会社に怨みて、人と馬との軋轢ようやくはなはだしきも、わずかに顔役の調和によりて、営業上|相干さざるを装えども、折に触れては紛乱を生ずることしばしばなりき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
ともかくあの人は、会社の年に二回の恒例昇給にも取り残されることがしばしばなのだ。
— 織田作之助 『天衣無縫』 青空文庫
小さいとき驚癇でしばしばなやまされながらも、神経の強い彼はときどき妄想性にかかつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
まごたちが「むかしばなし」をせがむと、その老人たちは、ハンスの話をして聞かせるのでした。
— 新美南吉 『丘の銅像』 青空文庫
ちからしばなどといふ雑草が群り繁るのを見ると、これも図案になる。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
さてうべないし上にて、その為しがたきに心づきても、強いて当時の心|虚ろなりしをおおい隠し、耐忍してこれを実行することしばしばなり。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫