風砂
ふうさ
名詞
標準
文例 · 用例
此の奧に住める人の使へる婢、やつちや場に青物買ひに出づるに、いつも高足駄穿きて、なほ爪先を汚すぬかるみの、特に水溜には、蛭も泳ぐらんと氣味惡きに、唯一重森を出づれば、吹通しの風砂を捲きて、雪駄ちやら/\と人の通る、此方は裾端折の然も穿物の泥、二の字ならぬ奧山住の足痕を、白晝に印するが極惡しなど歎つ。
— 泉鏡花 『森の紫陽花』 青空文庫
にわかに濃霧が山を閉じ籠めて、旅客が行くべき道を失ったり、或いは烈風砂礫を飛ばして、行人の生命を奪ったりする様な場合には、それは山神が人間を要求している為だと解する。
— 喜田貞吉 『人身御供と人柱』 青空文庫
第二十六回 渇水の難風砂の難水の代りに宝丹 その翌日五時頃に起きて、羊は草を沢山喰って居るから荷物を背負わせ自分も荷を背負うことにして向うの砂原を見るとどうやら水がありそうに見えて居る。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
ところがその翌日また広原の大風砂礫を捲き来る一大困難 が起ったです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
そのうちに、陽はかげって、狂風砂を飛ばし、白波乱岸を搏って、天地は須史のまに、険しい兇相をあらわして来た。
— 出師の巻 『三国志』 青空文庫