西入
にしいる
名詞
標準
文例 · 用例
」 正面に、葛飾郡永代築地 と鐫りつけ、おもてから背後へ草書をまわして、 此処寛政三年波あれの時、家流れ人死するもの少からず、此の後高波の変はかりがたく、溺死の難なしというべからず、是に寄りて西入船町を限り、東吉祥寺前に至るまで凡そ長さ二百八十間余の所、家居取払い空地となし置くものなり。
— 泉鏡花 『葛飾砂子』 青空文庫
此處寛政三年波あれの時、家流れ人死するもの少からず、此の後高波の變はかり難く、溺死の難なしといふべからず、これによりて西入船町を限り、東吉祥寺前に至るまで、凡そ長さ二百八十間餘の處、家居取沸ひ、空地となし置くものなり。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
六十に近い信西入道も我にもあらで素絹の襟をかき合わせた。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
彼は師の信西入道をも驚かすほどの博学で、和歌に心を寄せる兄の忠通を常に文弱と罵っているほどに、抑えがたい覇気と野心とに充ち満ちている人物であった。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
兼輔はおろか、関白殿、信西入道、あらゆる人びとのなかだちでも、この恋は所詮ならぬと思え」「なりませぬか」「ならぬ、ならぬ。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
「信西入道はきょうは見えぬそうな」と、ひとりの若い公家が思い出したように言った。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
左大臣どのも信西入道も我らには苦手じゃ。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
大方はいつもの歌物語であろうと気を許して、信西入道はゆるゆると支度して伺候すると、忠通は待ちかねたように彼を呼び入れて出逢った。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫