躍上
躍上
名詞
標準
文例 · 用例
」と松木は躍上らんばかりに喜こんだ。
— 国木田独歩 『牛肉と馬鈴薯』 青空文庫
その一個を取って、ハタと叩きつけると、床に粉々になるのを見向きもしないで、躍上るように勢込んで寝台に上って、むずと高胡坐を組んだと思うと、廊下の方を屹と見て、「馬鹿な奴等!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
その手先が、心なしにちょいちょい触ると、僧の手首が自然はたはたと躍上った。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
これより先、余り御無体、お待ちや、などと、慌しい婦まじりの声の中に、丸官の形、猛然と躍上って、廊下を鳴らして魔のごとく、二人の閏へ押寄せた。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
其の犬どもの、耳には火を立て、牙には火を齒み、焔を吹き、黒煙を尾に倦いて、車とも言はず、人とも言はず、炎に搦んで、躍上り、飛蒐り、狂立つて地獄の形相を顯したであらう、と思はず身の毛を慄立てたのは、昨、十四年五月二十三日十一時十分、城崎豐岡大地震大火の號外を見ると同時であつた。
— 泉鏡花 『城崎を憶ふ』 青空文庫
私は何氣なく倚子より離れて、檣樓に、露砲塔に、戰鬪樓に、士官水兵の活動目醒ましき甲板を眺めたが、忽ち電氣に打たれし如く躍上つたよ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
と時々どどどと勝誇って、躍上る気勢がする。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
金剛杖を棄置いて、腰の据らぬ高足を※と踏んで、躍上るようにその前を通った、が、可笑い事には、対方が女性じゃに因って、いつの間にか、自分ともなく、名告が慇懃になりましてな。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫