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荒目

あらめ
名詞
1
標準
文例 · 用例
見るからに古びはてた七八十戸の村で農家の間には煤び切つた荒目な格子で間口を※らした家なども混つてゐた。
若山牧水 鳳來寺紀行 青空文庫
私は外国にいた時に、特にそれを感じた、如何にそれが正しい人間の形であるかは知らないがあのフランスの多少|口髭の生えた美人が、一尺の間近に現れたとしたら、私はその美しさに打たれるより先きに、その不思議に大袈裟なその鼻と深く鋭い目玉と、その荒目な皮膚の一つ一つの毛穴に圧倒されて、泣き出すかも知れない。
小出楢重 楢重雑筆 青空文庫
一、二寸角の、荒目の格子で、どっしりとした黒光りの蔵造りの、間口の広い店は、壮重なものにさえ見えた。
続旧聞日本橋・その三 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり 青空文庫
「かがり」(越中特有の、繩を荒目の網にかがって作った一種のかます)に詰めこんだ雑品を、かさ高に背負った山人たち、その一と足、一と足、重々しく踏みしめて行く頼もしい足跡を、奔逸しようとする気力を抑え抑えして、ついて行く。
中村清太郎 ある偃松の独白 青空文庫
しかるに夫ときたら、荒目の上下ツイード服が泥で汚れ、顔が青ざめ、狼狽している。
A Front of Brass 鉄面皮 青空文庫
「あっ、伝書鳩――」「俵殿ではないか」ひょいと見ると、荒目の編笠に薄羽織、風采のよい四十前後の武士。
上方の巻 鳴門秘帖 青空文庫
非常なお急ぎでございまして、殆ど修整抜きで焼きつけました様な次第で、エエと、お名前はたしか、荒目田さんとおっしゃいました。
江戸川乱歩 恐怖王 青空文庫