影供
えいぐ
名詞
標準
文例 · 用例
はじめは潜む蒼穹に、 あはれ鵞王の影供ぞと、面さへ映えて仰ぎしを、 いまは酸えしておぞましき、澱粉堆とあざわらひ、いたゞきすべる雪雲を、 腐せし馬鈴薯とさげすみぬ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
御忌、御影供、十夜、お取越、御命講のやうな事でも各地方のを写して比較したら面白いばかりでなく有益であらうと思はれる。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
人丸の影像というものは、早くから歌人の崇拝の目的物となっておったもので、中には他の歌聖、京極黄門その他などを、影像にする向きもあったけれど、最も尊ばれたのは人丸像で、その影供は歌道の一大儀式となっておった。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
……ゆうべは御影供の当日で、ほうぼうの寺に御開帳があったから、ちょうどあの刻限には、外糀町口のあたりは、ご代参がえりの女乗物でごったがえしたはず。
— 御代参の乗物 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
のみならず、“薬王寺案内”といふ小冊子をみると、この外に、二月の涅槃会、三月は正御影供、四月は釈尊花祭、五月は大般若会、六月は弘法大師降誕会、七月は盂蘭盆会、といつた工合に、毎月、欠さず何かしら、催しものをする運びをつけてゐる。
— 久保田万太郎 『にはかへんろ記』 青空文庫