心に思う
こころにおもう
表現動詞-五段-ウ行
標準
to think deep down (that)
文例 · 用例
「心に思う万分一、その一言は云わないでも、姉の身ぬけにこうこうと、今云った義理だけは、私はその人に言いたかった、言いたかったんです。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
されど悪魔は冷々然、「自殺をするほどの罪があると、貴女の心に思うのなら、いつでもなさいまし。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
心に思うようは「ふ、ふ、ふ、先生ったら、ずいぶん人が悪いわ。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
女のために蛇を殺すと云うのは、神話めいていて面白いが、どうもその話はそれぎりでは済みそうにないね」僕は正直に心に思う通りを言った。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
馬は黄英のことを心に思うて、人に頼んでちらとほのめかしてもらうと、黄英はにっと笑って、心の中では許しているようであった。
— 田中貢太郎 『黄英』 青空文庫
性質にはこれといって立ち優ったところはないが、女にめずらしく快活で、心に思うままを口に出して言う。
— 森鴎外 『安井夫人』 青空文庫
この噂が世間から伝わってきた時、式部卿の宮の朝顔の姫君は、自分だけは源氏の甘いささやきに酔って、やがては苦い悔いの中に自己を見いだす愚を学ぶまいと心に思うところがあって、源氏の手紙に時には短い返事を書くことも以前はあったが、それももう多くの場合書かぬことになった。
— 葵 『源氏物語』 青空文庫
昔の日本人は、封建の柵にはばまれて、心に思う人と、親のきめた配偶者とはほとんど常に一致しなかった。
— 宮本百合子 『若き世代への恋愛論』 青空文庫