顰み
ひそみ異読 ひん
名詞多音語
標準
knitted brows
文例 · 用例
」お秀は鬢を圧えて顰みぬ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」 とかごとがましい口ぶりだったが、柔和な顔に顰みも見えず、温順に莞爾して、「御新造様がおありなさりますれば、御坊様にも一かさね、子産石を進ぜましょうに……」「とんでもない。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
脣の色少しく褪せたるに、玉のごとき前歯かすかに見え、眼は固く閉ざしたるが、眉は思いなしか顰みて見られつ。
— 泉鏡花 『外科室』 青空文庫
これをもってせば欣弥|母子が半年の扶持に足るべしとて、渠は顰みたりし愁眉を開けり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
老爺は、さすがに、まだ気丈で、対手が然までに、口汚く詈り嘲ける、新弟子の作の如何なるかを、はじめて目前験すらしく、横に取つて熟と見て、弱つたと言ふ顰み方で、少時ものも言はなんだ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
その眉|顰み、唇ふるいて、苦痛を忍び瞼を閉じしが、十分時過ぎつと思うに、ふとまた明らかに※けり。
— 泉鏡花 『誓之巻』 青空文庫
君が、制限した結果がよかつたら、僕はすぐその顰みに從ふことにする。
— 〔源内の手紙、原稿料のことなど〕 『よしなし事』 青空文庫
果しなき今昔の感慨に、瀧口は柱に凭りしまゝしばし茫然たりしが、不圖電の如く胸に感じて、想ひ起したる小松殿の言葉に、顰みし眉動き、沈みたる眼閃めき、頽せし膝立て直し屹と衣の襟を掻合はせぬ。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
作例 · 標準
突然の無理な要求を突きつけられ、担当者の眉間には深い顰みが寄った。
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彼は苦虫を噛み潰したような顔で、額の顰みを隠そうともせず黙り込んだ。
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「そんな顰みを作って考え込まないで。きっとなんとかなるわよ」と妻は優しく言った。
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