幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
この偏光の度や配置を種々の天候の時に観測して見ると、それが空気の濁を起すようないわゆる塵埃の多少によって系統的に変化する事が分る。
寺田寅彦 塵埃と光 青空文庫
不思議な事には巻物の初めの方に朽ち残った絵の色彩は眼のさめるほど美しく保存されているのに、後の方になるほど絵の具の色は濁して、次第に鈍い灰色を帯びている。
寺田寅彦 厄年と etc. 青空文庫
なんという雑多な濁だろう。
梶井基次郎 冬の蠅 青空文庫
これはたぶんまつ毛のためやまた眼球光学系の濁のために生ずるものかと思われる。
寺田寅彦 人魂の一つの場合 青空文庫
綾瀬の水、今は飲むに堪へず、濁汚腐、昔日の地志の此を称せしを疑はざるを得ざるなり。
幸田露伴 青空文庫
濁した空氣中に生活したものが清淨の空氣中に生活する時は、空氣其物より受くるのみの影響でも、決して少く無い。
幸田露伴 努力論 青空文庫
笹村はちょうどまた注射の後の血が濁したようになって、頭が始終重く慵かった。
徳田秋声 青空文庫
寸暇をも惜んだ彼の心は從來になく、自分の損失を顧みる餘裕を有たぬ程惑亂し濁して居た。
長塚節 青空文庫