蔦
つた異読 ツタ
名詞頻度ランク #36407 · 青空 1010 例
標準
ivy (esp. Boston ivy, Parthenocissus tricuspidata)
文例 · 用例
人跡絶えた山道には、人力車の通う術もなかったので、二人の若い男女は、互に助け合いながら、蔦葛の這う細道を、幾時間となくさまよい歩いた。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
春雨や人住んで煙壁を洩る 蔦かずらの纏う廃屋の中から、壁を伝って煙が洩れてる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
蔦かずらの這う古く懐かしい家の中で、薪の燃えるストーヴの火を囲みながら、老幼男女の一家族が、祖先の画像を映す洋燈の下で、むつまじく語り合うことを言うのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
さねかずらとはどんなものかしらず、蔦這いでる崖に清水したゝって線路脇の小溝に落つる音涼し。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
黒紋付をちらと見たら蔦の紋であった。
— 寺田寅彦 『高知がえり』 青空文庫
曙の色は林の中まで追いついて、木膠や蔦の紅葉の一枚一枚に透き徹る明る味を潮して、朝の空気は、醒めるように凛烈となった。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
私は芝居で見る黙阿弥作の「蔦紅葉宇都谷峠」のあの文弥殺しの場面を憶い起して、婚約中の男女の初旅にしては主人はあまりに甘くない舞台を選んだものだと私は少し脅えながら主人のあとについて行った。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
「家は腰高の塗骨障子を境にして居間と台所との二間のみなれど竹の濡縁の外には聊かなる小庭ありと覚しく、手水鉢のほとりより竹の板目には蔦をからませ、高く釣りたる棚の上には植木鉢を置きたるに、猶表側の見付を見れば入口の庇、戸袋、板目なぞも狭き処を皆それぞれに意匠して網代、船板、洒竹などを用ゐ云々」。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
作例 · 標準
古い石造りの壁には、深い緑色の蔦が這い上がっていた。
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秋になると、家の外壁を覆う蔦が赤く色づき、見事な景観を作り出す。
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庭のフェンスに蔦を這わせて、自然な目隠しにしている。
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