風発
ふうはつ
名詞
標準
文例 · 用例
」 その頃、何かにつけて、こんな工合に周さんと、日支比較論議とでもいうべきものが風発せられたのである。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
殆どわめく様にマルクスだとかレーニンだとか談論風発を続け、はては刻下の文壇をプチブル的、半死蛇等と罵り立てる。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
また氏の家庭が氏の親しい知己か友人の来訪に遇う時です、氏が氏の漫画一流の諷刺滑稽を続出|風発させるのは。
— ――親の前で祈祷 『岡本一平論』 青空文庫
小心な伊助は気味わるく、もう浄瑠璃どころではなかったが、おまけにその客たちは部屋や道具をよごすことを何とも思っていず、談論風発すると畳の眼をむしりとる癖の者もいた。
— 織田作之助 『螢』 青空文庫
此の東に於てひたすら彼の西の旧を趁うて新らしと成す秋に、却て西に於ては此の東方に道を求める事が常に新風発生の素因を成してゐる。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
客が訪ねて行くと、談論風発する。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
人生上のいろいろな若々しい感動、文学についての論談やヨーロッパ文学の噂も、論談風発という工合であったらしい。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
風発、説き来り説き去って、拍手喝采四壁を撼かす時、傍聴席上の一老僧はソーッとハンケチをポケットから引出して目に押当てた。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫