尺取虫
しゃくとりむし
名詞
標準
文例 · 用例
尺取虫が枝から枝を匍っている。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
) ッていいながら、左の肩で寸法を取って、尺取虫のように、じりり、じりり。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
そのうちに時間が経つと体の重みで刃の孔がだんだん闊くなって、たちまち脱け落ちて、手足は尺取虫のように屈んでしまった。
— 田中貢太郎 『続黄梁』 青空文庫
と呟くと、蜿※たる竜の鬚の坂道を、死者狂ひの尺取虫と化けて降りはじめた。
— 牧野信一 『天狗洞食客記』 青空文庫
思ひ出は尺取虫がするやうに克明ならず過現無差別 思ひ出といふものは尺取虫が尺をとりつつ進む様に規則正しくそれからそれと遡つたり又はその逆に昔から順を追つて思ひ出すなどといふものではない。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
その蘆の一本に尺取虫がゐて、しきりに茎を上つて行く、それを見て居て分つたことだが、この国境の大河鴨緑江の幅も尺取のはかる茎の長さを以て測れば三尺にも足りないことであつた。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
折り畳の三味線と、塗り箱に入った尺取虫と――商売もの。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
「百姓は馬鹿だな、尺取虫に土瓶を引っかけるてかい?
— 林芙美子 『風琴と魚の町』 青空文庫