遁路
遁路
名詞
標準
文例 · 用例
大袈裟に言えば、それこそ、さあ、と云う時、遁路の無い位で。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
驚きてわが走り寄る時、遁路あきたれば潜り抜けて、猫は飛び出で、遠く走る音して寂然となりたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
戀ある人は戀を思ひ、友ある人は友を懷ひ、春の愁と云はるる「無聊の壓迫」を享けて、何處かしら遁路を求めむとする。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
恋ある人は恋を思ひ、友ある人は友を懐ひ、春の愁と云はるる「無聊の圧迫」を享けて、何処かしら遁路を求めむとする。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
神がこの世にいますなら、どうか救けてください、どうか遁路を教えてください。
— 田山花袋 『一兵卒』 青空文庫
その幻の墓が見えるところまで堕ちて行く前には、彼は恥ずべき自己を一切の知人や親戚の眼から隠すために種々な遁路を考えて見ないでもなかった。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
しかし、そうした遁路を見つけるには彼は余りに重荷を背負っていた。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
支倉が窮余の極、漸く一方に遁路を開いた苦肉の策だった電車未開通説は物の美事に打ちのめされたのだ。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫