篤敬
とっけい
名詞
標準
文例 · 用例
『行ひは必ず篤敬』などと餞別の短册に書いて呉れる父のことですから、其手紙も至極眞面目に、私にも喜べといふ意味でした。
— 島崎藤村 『幼き日』 青空文庫
「行いは必ず篤敬……」などとしてある父の手蹟を見る度に、郷里の方に居る厳しい父の教訓を聞く気がしたものであった。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
それにもかかわらず藤村は、その破壊の跡を眺めるとき既に、「行ひは必ず篤敬」という態度に自分をおいている。
— 宮本百合子 『藤村の文学にうつる自然』 青空文庫
――「言葉が忠信であり、行いが篤敬であるならば、野蛮国においても思い通りのことが行われるであろうし、もしそうでなければ、自分の郷里においても何一つ行われるものではない。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
忠信篤敬の四字が、立っている時には眼のまえにちらつき、車に腰をおろしている時には、ながえの先の横木に、ぶらさがって見えるというぐらいに、片時もそれを忘れないようになって、はじめて自分の意志を社会に実現することが出来るのだ。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
そしてこの第二条で最も大切な一句は、冒頭の「篤敬三宝」である。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫
蘇我と物部との争いはよき教訓だったに相違ない、然るに太子は「必信」でなく「篤敬」という文字を用いて、信仰をあくまで国民の自発的な求道心におかれたのであった。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫
人間|煩悩のすさまじさを幼少の頃より眼のあたり見られた太子の、衷心祈念されたところは、前述のごとく「以和為貴」であり、「篤敬三宝」であり、「承詔必謹」であった。
— 亀井勝一郎 『大和古寺風物誌』 青空文庫