心核
しんかく
名詞
標準
文例 · 用例
尤も喫煙家の製造する煙草の煙はただ空中に散らばるだけで大概あまり役には立たないようであるが、あるいは空中高く昇って雨滴凝結の心核にはなるかもしれない。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
例えばまた過飽和の状態にある溶液より結晶が析出する場合のごとき、これがいつ結晶を始め、また結晶の心核が如何に分布さるべきかを精密に予報せんとする時、単に温度従って過飽和度を知るのみにては的中の見込は極めて小なるべし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
鋭い直観の力で一遍に当面の問題の心核を掴んでしまう。
— 寺田寅彦 『工学博士末広恭二君』 青空文庫
地震の源因を追究して現象の心核に触れるがためには、結局ここまで行かなければならないはずだと思われる。
— 寺田寅彦 『地震雑感』 青空文庫
しかしせいぜい骨折って「物の中心の隠れた心核を見るためのかなたよりの光」を伝え、物の最初の胚芽たる元子について物語ろうというのである。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
雲の生成に凝縮心核を考えているのは卓見である。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
それに金米糖の心核となるべき芥子粒を入れて杓子で攪拌し、しゃくい上げしゃくい上げしていると自然にああいう形にできあがるのだそうである。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
中に心核があってその周囲に砂糖が凝固してだんだんに生長する事にはたいした不思議はない。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫