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扼腕

やくわん
名詞
1
標準
文例 · 用例
」 血気|勃々たる大助は、かくと聞くより扼腕して突立つ時、擦違う者あり、横合よりはたと少年に抵触る。
泉鏡花 金時計 青空文庫
極東の島国の我が同胞は、すっかり体調を崩した紅毛碧眼の大男の苛立ち紛れに、箸の上げ下ろしから用の足し方まで一々難癖を付けられて、切歯扼腕の真最中である。
富田倫生 青空のリスタート 青空文庫
其中で私一人|其様な事を思うのは何だか薄気味悪かったから、狼狽てて、いや、馬鹿気ているようでも、矢張必要の事なんだろうと思直して、素知らん顔して、其からは落第の恥辱を雪がねば措かぬと発奮し、切歯して、扼腕して、果し眼になって、又鵜の真似を継続して行った。
二葉亭四迷 平凡 青空文庫
彼は、切歯扼腕、歯噛みをして口惜しがったのだ。
天母峰 人外魔境 青空文庫
当局連中もスッカリ感激してしまって、今更のように切歯扼腕しているような次第で……私共も一度はドンで年貢を納めさせられた前科者ばかりですが、今日の御演説を承りまして初めて眼が醒めました。
夢野久作 爆弾太平記 青空文庫
不意のことで、愕いたのは当然としても、もう少しそこになんとか気のきいた応急策の施しようがあったはずだと、刑事連をはじめ公衆は切歯扼腕して口惜しがったが、やがでその忿懣は非難に変わって、翕然とパッカアの上に集まった。
牧逸馬 女肉を料理する男 青空文庫
このアフガニスタンでのヘンダスンの劇的活躍こそは、ドイツ特務機関をして切歯扼腕させたもので、この事件があってから、ヘンダスンの身辺はたびたび危険を伝えられた。
牧逸馬 戦雲を駆る女怪 青空文庫
人相書は全市の与力と岡っ引きにいきわたり、別動隊として、近江之介を殺された上自分は閉門をうけて、切歯扼腕に耐えない脇坂山城守の手から、種々雑多の小者に変装した家臣や出入りの者が江戸中に散らばってひそかに喬之助のあとを嗅ぎ廻っている。
新版大岡政談 魔像 青空文庫