幻辞.com

帰入

きにゅう
名詞
1
標準
文例 · 用例
自性を徹見して本地の風光に帰入する、この境地を禅門では『帰家穏座』と形容する。
種田山頭火 故郷〔扉の言葉〕 青空文庫
この根本に帰入するのが、いくらかでも仏法の守られる秘訣だと松雲は考えた。
第二部下 夜明け前 青空文庫
かく根本に帰入するのは、すなわち枝葉を繁茂せしめる一つではなかろうか。
第二部下 夜明け前 青空文庫
もとより穏健無難の方策であるが、しかもこれを徹底せしむるならば、多くは第三策に帰入するに至るもので、かのロイド・ジョージ氏の社会政策がしばしば社会主義なりと非難されたるも、社会政策の実施は多くは社会主義の一部的または漸進的実現と見なし得らるるがためである。
河上肇 貧乏物語 青空文庫
よってひそかに思う、百四十年前|自己利益是認の教義をもって創設され、一たび倫理学の領域外に脱出せしわが経済学は、今やまさにかくのごとくにして自己犠牲の精神を高調することにより、その全体をささげて再び倫理学の王土内に帰入すべき時なることを。
河上肇 貧乏物語 青空文庫
だが大事なことは、これらの諸説が生命の原因を説明する目的を有つ限り、たといその間に莫大な距離があろうとも、結局、向に挙げた物理学的・化学的・原因説に帰入すべき線上にある、ということである。
戸坂潤 現代唯物論講話 青空文庫
仏智不思議の誓願を、聖徳皇のめぐみにて、正定聚に帰入して、補処の弥勒のごとくなり。
亀井勝一郎 大和古寺風物誌 青空文庫
それ故往生は阿弥陀仏に帰入することなのである。
柳宗悦 民藝四十年 青空文庫