轣轆
轣轆
名詞
標準
文例 · 用例
」 勢よく引返すと、早や門の外を轣轆として車が行く。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
今は最う、さっきから荷車が唯辷ってあるいて、少しも轣轆の音の聞えなかったことも念頭に置かないで、早くこの懊悩を洗い流そうと、一直線に、夜明に間もないと考えたから、人憚らず足早に進んだ。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
音といふものは、それが遠くなり杳かになると共に、カスタネツトの音も車の轣轆も、人の話聲も、なにもかもが音色を同じくしてゆく。
— 梶井基次郎 『闇への書』 青空文庫
今は最う、さつきから荷車が唯辷つてあるいて、少しも轣轆の音の聞えなかつたことも念頭に置かないで、早く此の懊惱を洗ひ流さうと、一直線に、夜明に間もないと考へたから、人憚らず足早に進んだ。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
※々、轟々、轣轆として次第に駈行き、走去る、殿に腕車一輛、黒鴨仕立華やかに光琳の紋附けたるは、上流唯一の艶色にて、交際社会の明星と呼ばるる、あのそれ深川綾子なり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
轣轆と礫は噛む、車だ、唐辛子を積む車だ、犬よ、その真紅のこぼれを噛め。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
轣轆たるバラルダの廻転と、荒武者が此処を先途と打ち鳴らす竜巻村の大太鼓の音が人波を分けて、行列を導いて行く。
— 牧野信一 『バラルダ物語』 青空文庫
川岸は荷車の轣轆に震ひ、芥車、蝶番の如く軋り、鐵の權衡は角なる影を落して、忽ちこれを地下室の底に投ず。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫