齢者
よわいしゃ
名詞
標準
文例 · 用例
「老いの波かひある浦に立ちいでてしほたるるあまをたれか咎めん 昔の聖代にも老齢者は罪されないことになっていたのでございますよ」 と尼君は言った。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
なにしろ世紀末の最大の悪役と化したフセイン大統領率いるイラクに堂々乗り込んで、人質とされた日本人のうち高齢者と病人の解放を求めてしまうのだから、これを「吼える」と言わずして何が「吼える」か。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
一村二十余戸八十歳以上の老齢者五人の中の年長者であるということを、せめてもの気休めとして、予の一族は永久に父に別れた。
— 伊藤左千夫 『紅黄録』 青空文庫
どんな高齢者だって、彼の今後の生活は、彼にとって初めての経験に違いないではないか。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
あるだけの麦と馬鈴薯とを煮る、(馬鈴薯にあらず、馬齢者也!
— 種田山頭火 『一草庵日記』 青空文庫
勿論|間歇性のものには違いないけれども、老齢者が息を吸い込む中途で調節を失うと、現に真斎で見るとおりの、無残な症状を発する場合があるのだ。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
列藩徴士中の高齢者で、少し疎になつた白髪を髻に束ねてゐる。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
戸籍面によるとこの老婆はオシノといって、敬吾の祖母に当る嘉永生れの高齢者であるが、耳も眼もシッカリしているようで、気持ちも存外確からしい。
— 夢野久作 『空を飛ぶパラソル』 青空文庫