食いしばる
くいしばる
動詞-五段-ラ行動詞-他動詞
標準
to clench (one's teeth)
文例 · 用例
実はこれは歯を食いしばるところなのですが、歯がないのですからむにゃむにゃやるより仕方ないのです。
— 宮沢賢治 『蛙のゴム靴』 青空文庫
はあ」「歯の生え際には歯茎が痒ゆいんだって言うことよ」 こどもは母親の指をうるさがって、意固地のように歯を食いしばる。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
男は首を挙げようとして、喉の傷を痛めたとみえ、歯を食いしばるようにして、じっと、その苦痛を忍びながら起きようとするのです。
— 菊池寛 『島原心中』 青空文庫
歯を食いしばるようにして『すみれ』の前を通り過ぎ、暗い畠中道を黙々と家に戻ってくる。
— 梅崎春生 『Sの背中』 青空文庫
「お前なあ、仮にもお袋に、ゆすって眠らせてくれよと頼む場合があるとしたら、いまだよ」四 二人が延々と、激しく、必死にもがき、目をむき、歯を食いしばる有様は、今までずっとアングロサクソンが死や危険に直面した際、戦ってきたときと同じだ。
— BEING AN ADVENTURE OF DRENTON DENN, SPECIAL COMMISSIONER 『ドレントン・デン特派員の冒険』 青空文庫
歯を食いしばるような気持で、私は女の頬に手をふれていた。
— 梅崎春生 『桜島』 青空文庫
松川源十と大川時次郎とは、友田が自分たちのオヤジを罵倒するのを、歯を食いしばる思いで聞いていたので、応援者が出て来ると、その声の方を見た。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
恐らく、俺の事業に取って、最大の敵はこの女に相違ない」彼は、ある刹那には歯を食いしばる様にして、自分自身を戒めなければならなかったのです。
— 江戸川乱歩 『パノラマ島綺譚』 青空文庫