建坪
たてつぼ
名詞
標準
文例 · 用例
三百五十万円で、家は古いが、八十坪の建坪でね、邸内は五百坪、池あり山ありだ」「いまに、神様の罰があたるわよ」「神様か、神様は運のいゝ奴だけはお見捨てはない。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
……聞いておいでですか」「ああ、聞いているとも」「その海底都市の骨格に相当する八十階で建坪一万一千平方キロメートルの坑道ががっちり出来たのが、実に起工後十四日目なんです。
— 海野十三 『海底都市』 青空文庫
――これで建坪はどの位ありましょうかね」 幸雄は面倒そうに、「引くるめて三十五坪くらいなもんです」と答えた。
— 宮本百合子 『牡丹』 青空文庫
建坪の工合で、校正室は、社長室を抜けてでないと行けなかった。
— 宮本百合子 『一本の花』 青空文庫
「そこで普請にかかりますが……それが坪三十両に見積って、建坪三十坪、まあザッと千両ですか」 七兵衛は、また百両包と覚しいのを、前に並べた六百両の上に積み上げました。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
毛谷 この家は、これで、建坪はいくらです。
— 岸田國士 『百三十二番地の貸家』 青空文庫
黒岩万五は、やがて大通りを右に折れて、トタン屋根を青く塗つた、建坪二十坪に足りない一棟のバンガロウの門の中へ、するすると自転車を乗り入れた。
— 岸田國士 『泉』 青空文庫
代地の方は建具|造作の入替位にてどうにか住まへるかと存じ候へども場所がらだけあまり建込み日当あしく二階からも一向に川の景色見え申さず値段も借地にて家屋だけ建坪三十坪ほどにて先方手取一万円引ナシとは大層な吹掛やうと存じ候。
— 永井荷風 『雨瀟瀟』 青空文庫